六甲ミーツ・アート 芸術散歩2020 作品解説

『 The man catching the stars』 2015

男は漁師のように、毎日自転車で宇宙に出かけて行っては、流星群を捕まえてきます。

地上ではその星屑をどんな風に使っているのでしょうか・・。

そして男はどんな風に生計をたてているのか・・。

明るすぎる街のせいで見えなくなった星を思いながら作った作品です。

初め、月が東京タワーに突き刺さる(落ちてくる)スケッチを描きそこから自分が思うフェアな人間と星との関係を考えたときに、漁師のように星と戦って(この物語では投網なので戦っているかは微妙ですが)地上に持ってくる男を描こうと思いました。

『 The aurora girl and the girl』 2019

まだ上手く舞ったり色を変えられないオーロラの子供が、夜中にこっそり地上に降りてきて凍った湖を鏡にして踊る練習をしています。

明け方、スケートの練習をしに来た女の子とバッタリ出くわして、オーロラの子供は空に逃げて行ってしまいました。

そんな何でもない出会いのお話。

オーロラのような自然現象が意思を持った生き物として自然に存在するような、現実より少しだけ人間が世界と仲の良い世界が描けたら良いなと思っています。​

​オーロラの布のような表現と、女の子の毛皮をアニメーションでどう表現できるか試した作品でもあります。

『 Night Drinking Bar』 2019

お酒ではなくて、「誰かの夜」を飲めるお店。

棚に並んだ瓶には、それぞれ誰かのいつかの夜が一晩分詰まっています。

初め真っ暗だった瓶も飲まれるにつれて夜が明けていき、朝焼けが瓶を満たしていきます。

そんなバーを訪れた何だか物憂げな女性。

「誰かの夜」を借りて夜をやり過ごしますが、果たして自分の今夜はどこに・・?

そしてマスターは一体どこから夜を手に入れてきているのでしょうか・・。

この女性のように、何だか疲れちゃったり、どうしようもない夜に、逃げたり頼ったりできるものがあれば良いなと思い作りました。

喜劇よりも悲劇が多く作られるように、誰かの楽しい夜よりも自分より悲しかったり辛い夜が癒しになるかもしれません。

『Day dreaming postman』 2020 新作

毎朝自転車で新聞を届ける郵便配達夫は、ある家の女性に恋をしています。

その家の窓辺に置かれた花瓶の花を、毎日変えるのが彼の日課です。

花は1日で萎れ、花瓶は置かれたまま。

カーテンが誘うように揺れています。

青年の「憧れ」に近い恋心を描いています。

女性からすれば青年の一時の通り過ぎて行ってしまう恋心を、花瓶を下げない事で受け取りも拒絶もせずにいる、でもその心は、カーテンのように揺れています。